先月、福島県が主催するセミナーに参加してまいりました。
テーマは「歴史的建造物を遺す」ということ。
民家再生の第一人者でいらっしゃる降幡廣信先生の講演会をはじめ、
今改めて問われる建造物の保存意義やその手法についてお話をお聞きしました。
第2部・パネルディスカッションでは、当社代表の鈴木もパネラーとして参加致しました。
旧掘切邸や福島市写真美術館、飯坂温泉なかむらや旅館など、
当社が携わった文化財の復元設計について、
目指した経緯や配慮点、職人の匠技など、様々な角度から説いておりました。
昨年の震災を受け、福島でも建物被害は甚大なものでしたが、
その中には本来、先々へと遺す価値ある歴史的建造物も数多く含まれていました。
ですが補修に要す膨大な費用などを理由に、維持管理を諦めざるを得ない事例も多くあります。
文化財においては並々ならぬ想いを抱いております当社代表。
その保存には、まず第一に所有者の「遺したい」という想いが必要。
そして地域もなお、福島の街並みを彩る共有財産であるという意識を持つべきこと、
補助制度の利活用、そしてその充実化を求めていくことも必要だという熱い想いを訴えておりました。
遺すべきか、否か。判断が問われる今こそ、
まずは自分の街にどんな建物があるのかを改めて知る時なのかもしれません。
普段は車通勤ですが、街並みを歩いていると土蔵や教会、お寺など
歴史ある建物が随所にあることに気がつきます。
皆様もぜひ建物探訪におでかけになってみてはいかがですか?